

世界を文学でどう描けるか
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タイトルからして、文学論なのかと思いきや、2000年にサハリン島を旅したことから書き出されます。
北海道の北、かつては樺太と呼ばれた地の南から観光で訪れる人も稀な北端まで旅した日々が綴られています。
政治と歴史と民族と複雑に絡み合い、言葉も文化も異なる地での旅がミステリーのようにも感じられる文体で描かれ、引き込まれていきます。
日本の樺太への植民やロシアとのせめぎ合い、アイヌやウイルタなど様々な民族やユーラシア大陸からの流亡者など、教科書では扱うことのない歴史に触れることもできます。
過去の世界文学にも言及しながら、この旅の経験から文学とは何かを考えていく斬新な作品です。
(ルリユール書店)
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いま、ここにある「世界」とは、何か
また、どのようにすれば、それを叙述できるのか――
2022年春にロシア軍のウクライナ侵攻が始まったとき、思い起こしたのは20年前に訪れたサハリンで出会った人びととの会話だった。アイヌ、ニヴヒ、ウイルタといった北方先住民族たちと、日本人、中国人、朝鮮人、ロシア人などが時代の流れのなかで移り住み、ともに暮らすサハリンで、自らをエミグレ(亡命者/流亡者)といった一人の女性。作家は、サハリンに生きた人びとの姿を通して、この世界をどうすれば描くことができるかという自問と対峙する。
いまなお続く「終わらない戦争」の時代下で、戦火から逃れ、流浪を余儀なくされる人びとがいる。世界の複雑さを直視し、そこに住むひとりひとりの生活を見つめること、想像すること。そこから、かすかではあるが、小さな光明としての、言葉が、文学がたち現れる。
目次
1 私がサハリンに行ったとき
2 ユジノサハリンスク
3 ポロナイスク
4 オハ
5 二〇年後の世界
6 『フランケンシュタイン』は、世界をどう描いたか
7 ヴィノクロフのこと
8 オタスからの世界
(出版社データーベースより)
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『世界を文学でどう描けるか』
黒川創・著
図書出版みぎわ
2023年3月
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